時をかけるゆとり──映画化希望の面白エッセイ。

どうも、緒浅丸です。
いよいよ2016年も終わりですね。
今年最後に紹介する本はコチラです↓↓

タイトル:時をかけるゆとり
著者名 :朝井リョウ
初版発行:2014年12月10日
ページ数:271P
定価  :550円+税
出版社 :文藝春秋
形式  :文庫(文春文庫)

目次
 年表
学生篇
 1便意に司られる
 2ダイエットドキュメンタリーを撮る
 3地獄の100キロハイク
 4他学部の授業で絶望する
 5モデル(ケース)体験をする
 6母校を奇襲する
 7黒タイツおじさんと遭遇する
 8コンセプトカフェに潜入する
 9旅行を失敗する
10旅行を失敗する(その2)
11眼科医と衝突する
12母がいろいろと間違う
13スマートなフォンに振り回される
14バイト先がつぶれる
15ピンク映画で興奮する
16リアル脱出ゲームで絶望する
17地獄の500キロバイク
18知りもしないで書いた就活エッセイを自ら添削する
19自身の就職活動について晒す
20社会人になることを嫌がる
社会人篇
21直木賞を受賞しスかしたエッセイを書く
22直木賞で浮かれていたら尻が爆発する
23若手システムエンジニアになりすます


何者』が面白くて、著者のほかの本でサクッと読めて面白いものはないかとネットをチェックして、この本の存在を知りました。

著者は最年少で直木賞を受賞された朝井リョウ氏。
直木賞受賞作の『何者』や、デビュー作『桐嶋、部活やめるってよ』などは映画にもなっています。

この本は、以前出版された『学生時代にやらなくてもいい20のこと』を文庫化の際に、直木賞受賞後のエッセイを3篇加えて改題したものです。
上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴られています。

 良いスタートダッシュを切って少し有名になった自分を、笑えるネタを披露することで『非リア』をアピールし、読者に親近感を持たせようという、非常に計算された内容ですが、『早稲田大学在学中に文学賞受賞』『大手マスコミ企業への内定』と言う明らかなは『リア充』な事実があるうえ、エッセイの中でも、ダンスサークルの友人がいたり、女性も含めた友人集団に属していたりと、本当は要領のいい人物であるということが透けて見えます。
自分の学生時代と比較しても、自分より明らかにコミュ力が高いことがわかりました。

ひとつひとつのエピソードは、簡潔にまとまっていてサクッと読めます。
これから青春に飛び込む人、いま青春ド真ん中な人、青春が遥か悠久に過ぎ去った人、どなたが読んでも楽しめると思います。

お正月休みの余暇に、噛みしめるように読んでみてはいかがでしょう?
2017年のライフスタイルが変わるかもしれません。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。
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働きながら社会を変える──突き付けられる「子どもの貧困」問題

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:働きながら、社会を変える
著者名 :慎泰俊
初版発行:2011年11月15日
ページ数:261P
定価  :1500円+税
出版社 :英治出版株式会社
形式  :単行本(ソフトカバー)

目次
はじめに
第1部 体験
 1 仕事をしながら社会を変えよう
 2 日本の「子供の貧困」
 3 児童養護施設に住み込みをしてみた
 4 現場から見えてきたこと
第2部 分析
 5 五人の子どもの物語
 6 背景にあるものは何か
 7 虐待を受けた子供の特徴
 8 施設はどう運営されているのか
 9 ハードな仕事をこなす職員たち
10 施設内虐待の悲劇を防げ
第3部 行動
11 僕たちにできること
12 実践・パートタイムの社会貢献
あとがき
謝辞


ネットで見かけ、これからの人生設計のヒントになるかもと思って購入した本です。

著者の慎泰俊氏については、この本を手に取るまで存在を知らなかったのですが、朝鮮大学校政治経済学部法律学科及び早稲田大学大学院ファイナンス研究科を修了され、モルガン・スタンレー・キャピタルに勤務したのち、NPO法人「Living in Peace」を設立し、日本初のマイクロファイナンスファンドを立ち上げ、途上国の貧困層自立支援を行っている方です。
この本は、著者がNPO法人「Living in Peace」(略してLIP)を設立するに至った経緯や現在の児童養護施設の状況、そして働きながらできるパートタイム活動についての提案などが記されていました。

読後一番に感じた印象は、〝ガチな奴だ──〟でした。

自分としては、働きながらお金以外で〝プラス何か〟を得るHowTo的なものを期待していたのですが、ちょっと方向性が違いました。

これを読むと、貧困が足音を響かせてやってきている気がします。

5年前に出版された本です。この手の本の中には5年の間に紹介されている会社や組織、お店なんかが無くなっていることもあるんですが、ここの組織は現在でもしっかりありました。素晴らしいと思います。

認定NPO法人Living in peace

ただ、この本に書かれているようなことを実行するには、並はずれたエネルギーと行動力、粘り強さ、リーダーシップなどがあって初めて可能な事だと思います。
自分にはとても真似できません。
『働きながら社会を変える』方法については、もっと違うアプローチを探っていきたいです。

社会貢献に興味を持たれている方は一読してみてはいかがでしょう?
きっと何か気づきが得られると思いますよ。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

何者──今どきの就活物語

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:何者
著者名 :朝井リョウ
初版発行:平成27年7月1日発行
ページ数:336P
定価  :590円+税
出版社 :新潮社
形式  :文庫(新潮文庫)


就活がテーマの作品で、直木賞を受賞しています。
春にリアル書店の平台に並んでいて興味を持ったが最初ですが、近々この作品が映画化されるという情報も、購入の後押しをしました。

この著者のデビュー作『桐島、部活やめるってよ』は映画化されており、その作品は観たことがありますが、著者の本を手に取るのは初めてだったので、ドキドキしながらページをめくりました。

この作品は、就活の情報交換をきっかけに集まった、5人の男女を中心に、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだ長編小説です。ゆとり世代と言われる、今どきの就活生の様子が生々しく描かれていました。

映画化のキャスティングはネットで公開されていて、自分はそのイメージ読み進めたのですが、物語に入り込みやすくてラッキーでした。
もっとも、読みやすい文章なので知らなくても特に支障はないかも知れません。

最後のオチで印象がまるで変わります。
読了後しばらくしてから、じわじわと不穏な気持ちが染み出してくるような気持になりました。

また、読んでいる最中、自分の大学時代の就活をと比べて、当時の自分があまりに幼く未熟だったことを気づかされ、脇汗がにじみました。
それでも、40半ばを過ぎてそこそこの生活を送れていることを考えれば、複雑な気持ちになります。
それと、最近の新入社員はみんなこんな就活を潜ってきたんだなあと思いました。

これから就活をする人はもちろん、ゆとり世代と関わる全ての人に読んでもらいたい一冊です。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

家裁調査官は見た──凝り固まった家族の絆をほぐす本

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:家裁調査官は見た
著者名 :村尾泰弘
初版発行:2016年7月20日
ページ数:206P
定価  :720円+税
出版社 :新潮社
形式  :新書(新潮新書)

目次
はじめに──夫を毛嫌いするミサコの訴え
第1章 感情転移という「怪物」
第2章 知的エリート女性の挫折と暴力
第3章 薬物は「家族」の代用品
第4章 「家族神話」のダークサイド
おわりに──キレること、切れているということ

リアル書店で見かけてパラ見した時、感じるものがあって購入しました。

著者の村尾泰弘氏は、家裁調査官として離婚や少年非行など多くの家族問題に関わった後、立正大学社会福祉部教授になられた方で、現在では臨床心理士、家族心理士としても活躍されています。

この本は、その著者の長年の経験をもとに、本来は安らぎの場であり支えあいの場であるはずの家族が、何故ひとりひとりを縛る「しがらみ」に堕してしまう事があるのかを考え、しがらみを乗り越えるためにはどうすればよいかを探っていきます。
また、それと同時に、家裁調査官の仕事とはどういうものなのかということも解説しています。

自分的には掘り出し物の良書でした。法律的・社会的なことより、心理学的なことが多く書かれていて、具体的な事例をもとに、ぎすぎすした家族のしがらみを解きほぐすためのヒントをいくつも見つけることができます。

ただ、個人的には、題名で損をしている印象を受けました。この本を本当に必要とする人は、「自分は家裁にいっちゃうかも」なんて考える余裕もないほど追い込まれている筈です。だから、副題の『家族のしがらみ』のほうが良かったのではないかと思いました。それから、おどろおどろしい帯のコメントもマイナスだと感じました。

家族の付き合い方が見直せる一冊です。家族といることに息苦しさを感じている人なら、解決のヒントが見つかるかもしれません。

最後に、個人的に気になったフレーズです。

精神的に深いダメージを受けたり、精神的に疲弊している人に、「大丈夫?」と訊いてみたとする。意外なことに、もう限界に達している人に限って「大丈夫」と答えたりするのだ。P25

彼女自身には立ち直りたい気持ちがあるにもかかわらず、父親の憎しみゆえに、立ち直るわけにはいかないのだ。P38

自分の不貞願望を配偶者に投影して、つまり鏡のように映して、配偶者こそが不貞をしているのではないかという嫉妬に駆り立てられていることも起き得るのだ。P58

妬みは、他人のもっているものを欲しいという強い欲求を基本にしているのに対し、嫉妬は、逆にすでにもっているものを失うのではないかと恐れる不安を根源とする。P60

この夫婦の間では夫は酒を飲む役、妻は叱る役という役割がパターン化しており、妻が叱れば叱るほど、夫はますます酒を飲むという、一種の悪循環が形成されているのだ。P67

酒をやめない夫と別れない妻の言い分に「優しいところもあるしね」というものがあった。P72

新たな児童虐待は、パーフェクト主義の裏返しとしての無力感により起きていた。P84

育児不安や育児ノイローゼの親の多くは、いわゆる孤軍奮闘型が多い。P86

グリム童話の「白雪姫」も母子分離のテーマとして読むことができる。P91

思春期における子どもの暴力と母親のしがみつきの強さは、ある意味で正比例するのだ。P97

女児というのは、ここまで父親を嫌悪しなければならないほど、深層心理においては父親との結びつきが強いのだ。P99

攻撃行動が起こる場合は必ず欲求不満が存在していると予測されるし、逆に欲求不満が存在するならば、それは必ず何らかの形での攻撃を生じさせるという。P109(※欲求不満-攻撃仮説)

あの人は甘えさせてくれるのではないか、あの人は愛してくれるのではないか、そういう願望を相手に向け、思慕するのだが、その期待が裏切られると、今度はその人に強い攻撃を向けることになるP111

数人でシンナーを吸い、酩酊すると、「手から光線を発して、相手にぶつけて」遊ぶP126
(※幻覚の共有化)

「やりたいやつは、勝手にやればいい」という投げやりな態度が大勢をしめているのだろう。他人に対する無関心である。P132

家族のためによかれという思いこみが、結果として不幸をもたらす逆説的悪循環が起きている。P150

恨みや攻撃性は形や向きを変えるものP151

人間は二者関係が破綻し始めると、そこへ第三者を引っ張り込んで、自分が優位に立つかたちで問題解決をはかろうとするP154

様々な話題で家族討論を行った。例えば、夏休みの過ごし方、週末の過ごし方など、その時その時の話題について話し合うのである。P158

今困っていることを想定してみよう。最悪の状態を1として、最良の状態を10としてみると、今はいくつだろうか。なぜ、そう考えるのか、自分自身で考えてみよう。P166

ナラティヴ・セラピーとはこのように物語の書き換えを考える心理療法だ。P169

結局は、この人が自分自身の影の部分、お金の問題を同僚に投影して嫌っていることが解ってくる。P180

親は自分の影を見たくないものとして、無意識の中に封じ込めている。ところが、子どもの言動に、これに関連するようなものが見て取れた場合、親は必要以上に、子どもの言動を「悪」とみなし、叱責等を繰り返すことになる。P183(※似なくていいところばかり親に似る)

こころの中にわだかまっている相手を想定して、その人に向けて手紙を書いてみよう。P187

過去は変えることができない。それは事実関係としての過去である。事実は変えられなくても、人生に対する事実の「意味」は変容する。P193

子どもたちの孤立化や社会性の欠如が、昨今の青少年の荒れたこころの背景にあるのではないかP200

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

捨てられる銀行──地域においてのこれからの銀行・金融業の在り方を考える本。

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:捨てられる銀行
著者名 :橋本卓典
初版発行:2016年5月20日
ページ数:252P
定価  :800円+税
出版社 :講談社
形式  :新書(講談社現代新書)

目次
はじめに
第1章 金融庁の大転換
  1 金融庁の新方針
  2 「処方箋を持ってこい」
  3 中小企業のヒヤリングから見えてきたこと
  4 ベンチマークの導入
  5 検討会議
  6 事業性評価
第2章 改革に燃える3人
  1 森信親長官の真意
  2 森長官が抜擢したキーマン・日下智晴
  3 地域金融のプロフェッショナル・多胡秀人
第3章 「選ばれる銀行」になるために
  1 金融検査マニュアル
  2 マニュアル行政の恐ろしさ
  3 信用保証制度による目利き力の喪失
  4 短コロを知らない金融マンたち
  5 リレバンを取り戻せ
  6 営業目標と人事評価
  7 忘れられた事業再生
第4章 新しい4つのビジネスモデル
  1 稚内信用金庫 リスクをとるための「やせ我慢経営」
  2 北國銀行 営業ノルマを捨てた地銀
  3 きらやか銀行 本業支援というビジネスモデル
  4 北都銀行 「地域課題解決」で再スタート
 終章 森金融庁改革の行方
  1 地域金融の化学反応
  2 新時代の金融庁
  3 捨てられる銀行

この本を購入したのは、自分も金融関係の仕事に就いており、べストセラーになっているこの本に興味を持ったからです。
著者の橋本卓典氏は、共同通信社経済部の記者の方で、2006年に入社して以来、流通、証券、大手銀行、金融庁を担当し、幅広い経済ニュースを追っています。

この本は、その橋本氏が1998年の金融危機以来、金融行政が変遷する中でどのような問題点が発生し、どのように変化してきたを見届けようと試みたものです。
また、2015年7月に就任した森長官が実行する金融庁の改革によって、銀行が変わらなければならない、変われなければ銀行は捨てられてしまうかも知れないといった内容でした。

具体的には、従来、金融庁の銀行検査は不良債権を生み出さない銀行経営をめざし、そのために担保価値に重点を置いていましたが、今後は、地方銀行経営をリレバン(リレーションシップ・バンキング)に重点を置くべきだという事です。

顧客の方を向いていない金融マンの話はあるあると頷くことしきりだし、保証協会融資の問題点についても、的確に突いていると思いました。

ただ、これからのビジネスモデルについては疑問が残りました。
これからは企業の総合力を見ていかなくてはいけないと簡単そうに言うのですが、きちんとした指針が明示されておらず、企業の総合力の見極めが個人の感覚的なもので行う印象を受けました。

これからもっと勉強しないといけないかも知れないですね。

あと、広島出身の日下氏がいる関係なのでしょうが、広島の事例が多いのにびっくりしました。

最後に、個人的に気になったフレーズです。

担保や保証がないと融資ができなくなっている地銀こそが企業、経済の活性化、成長をもっとも阻害している元凶ではないのだろうか。P18

担保と保証しかみていない地銀取引の実態P31

行員が営業ノルマに忠実に動けば動くほど、むしろ余計な貸し付けや投資信託の無理な販売を助長しかねない。人事評価を気にしたり、出世意欲の強い行員ほど、余計に数字を追いかけることになる。P34

初代室長に広島銀行で融資企画部室長やリスク統括部長など第一線で活躍してきた日下智晴P40

広島銀行としては財務内容を見極めて「正しい」判断をしているつもりが、広島の基幹産業であるマツダを苦しめるということになるという本末転倒の自己矛盾に陥ってしまっていた。P48(※優秀だが財務面で問題があるサプライヤーが原因)

広島銀行の分析手法は、①製品サービス、②顧客基盤力、③営業販売力、④生産力、⑤技術開発力、⑥組織管理力の計25項目を科学的かつ客観的に判定して、財務情報では読み取れない企業の力を見極めることができるP50

いかなる出来事であれ、そこに関わっている人間を理解しないことには本質には決して辿り着けない。P56

森は貸し出し競争が激化し、競争環境の厳しい銀行業務への参入を打ち出すのではなく、預金量180兆円を運用する「世界に冠たる機関投資家」を目指すよう経営戦略の転換を促した。P60(※2015年11月に上場した日本郵政グループに対して)

ゆうちょ銀行が法人貸し出しなど民間銀行と同じ道を歩んでいた場合、与信管理のノウハウなどの乏しいゆうちょ銀行は、極めて危うい状況に追い込まれていたかもしれない。P61

できなり理由が聞きたいんじゃない。ゼロではなく、イチでもいいから成果をもってこいP65

銀行側は、死守すべき貸出先と、資産査定の「犠牲」となってもらう貸出先を選別する。P70(※検査官も手ぶらでは帰れないから)

人口減社会が差し迫る状況が明らかになっても、地銀の5年先、10年先の未来については一切語らない。P70

森ペーパーは、人口が落ち込む中、このままでは収益は落ち込み、本業の貸し出しで稼げなくなる現実を突きつけていた。P75

「しまなみ債権回収株式会社(通称しまなみサービサー)」P89

日下は毎年、マツダ スタジアムの年間シートを購入するほどのカープファンP97

経済合理性だけで地域は守れないP101

経済合理性だけの流れに任せると、街は濁流に呑まれて独自性を失い、やがて色あせていく。P102(※ファスト風土化する都市)

多くの地銀は金融庁検査に耐えられるよう担保・保証を万全にとった貸し付けと低金利による貸出競争での規模拡大が主流となり、顧客のところへ地道に足を運ぶ営業などは、コストと見なされるようになっていた。P104

検査マニュアルは、①経営管理(ガバナンス)、②金融円滑化編、③リスク管理等編、で構成されている。P113

日常的な融資案件の審査でもマニュアルと過去の検査官の発言録に基づき、融資の是非を判断しているのだ。P120

地銀の営業マンは、保証付きの長期融資以降は用事もなくなり、足が遠のいた。P127

保証付き融資はあくまで信用補完のためのものだ。危機的事態でない限り、プロパー融資が主、保証付き融資は従だ。
 しかし、100%保証の代位弁済が金融機関と事業者の行動、考え方を変えてしまった。P130

信用保証制度は2016年度中にも見直しの議論が固まる見通しだ。P135

代位弁済の条件として、金融機関側が当然取り組むべき「途上与信管理」と「事業再生」の状況を確認する必要があるのではないだろうか。P135

短コロが一般的だった時代は、実質的に元本返済が不要で金利分だけを返済していればよかったのに対し、特に保証付きの長期融資に切り替わると、金利分に加え、元本返済、さらには保証協会に対して新たに保証料を払い続けなければならなくなったのだ。P142(※短コロもいずれは元本を返済しなくてはならないのでは?)

森の日本動産鑑定は、中小企業の営業キャッシュ・フローを生み出す基盤となっている仕入れや顧客のネットワーク、ブランド、商標権、特許権などの棚卸資産と知的財産・資産を的確に評価したうえでの融資(事業性評価に基づく融資=ABL=Asset Based Lending)を提唱している。P145

「中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための取り組みを進めることによって、不良債権処理も同時に進めていくことが適当」とされた。P151

現在、銀行が当たり前のように取引先の販路拡大のために積極的に行っているビジネスマッチングもで手数料を取ることも、このガイドラインの変更なしにはできなかった。P152(※2003年6月30日に変更された事務ガイドライン)

地域金融機関に身を置く氏名を持った一人一人が、真に考えてプロ意識をもって行動することを止め、ノルマとして上から課される数字を追いかけるだけの仕事に疑問を抱かないようになったことが、むしろ心地よくなってしまっているのではないか。P163

ノルマの達成度合いを絶対的な評価軸にした人事制度においては、顧客満足などは「雑音」に過ぎない。P168

第三セクターは、経済感覚の欠落した行政の横やりにより放漫経営に陥るケースが数多くあり、どの金融機関も出資には二の足を踏むのが当然の感覚P187

地元に家族で移り住み、PTA、自治会にも加わり、食材、日用雑貨、理髪、スーツなど地元で消費して、地域に溶け込んでこそ、初めてやせ我慢経営が地域にも受け入れられるのだ。P192
自らの信金は無関係だったにもかかわらず、道選出の中川昭一(当時)ら政治家や監督当局をかけずり回り、他信金への劣後債の償還を実現するよう必死の要請活動を率先して続けたためだ。P193

経営そのものを顧客中心に変えるということは、単に営業体制をいじる小手先の変革では済まない。システム投資、事務処理の効率化、勤務体系、業績評価から人事評価制度、人材育成までのすべてを顧客満足につなげていくように変えなければならない。P200

銀行員が顧客の悩みを「聞く」、「解決する」という基本中の基本動作さえ、これほどまでに難しいのだ。P217

予約制により1回2時間のコンサルを計3回経て、最適な保険商品を一緒に探していく。P228

「キャスト」を中心に行員一人一人が提案書を持って面談し、事情に応じて融資契約を見直したり、返済可能なリストラを考えるなどの相談に乗っているP234

顧客の方を見ていない。P248


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Author:緒浅丸
小学生の子供を2人持つ40代のサラリーマンです。
ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く、書評や感想をアップしています。

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