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藤井太洋著 公正的戦闘規範 ── 近未来を描いたSF短編集

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:公正的戦闘規範
著者名 :藤井太洋
初版発行:2017年8月25日
ページ数:335P
定価  :740円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次
コラボレーション
常夏の夜
公正的戦闘規範
第二内戦
軌道の環


SF短編集。表題作の短編は、以前『伊藤計劃トリビュート』で読んだことがあったのですが、他の作品も読みたくて購入しました。

著者の藤井太洋氏は国際基督教大学を中退後、舞台美術やDTP制作、展示グラフィックディレクター、ソフトウェア開発などを経て、2012年に電子書籍個人出版で『Gene Mapper』を発表して一躍注目を浴び、それを契機に商業デビューした方です。
2015年に『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞、
2019年に『ハロー・ワールド』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞されています。
また、第18代日本SF作家クラブ会長でもあります。

著者初の短編集であるこの本には、『Gene Mapper』のスピンオフ作品である『コラボレーション』、量子テクノロジーが社会を革新する様子を描いた『常夏の夜』、近未来中国での対テロ戦争を描いた『公正的戦闘規範』、保守と革新に分断されたアメリカを描く『第二内戦』、未来の太陽系を舞台にした書き下ろし、『軌道の環』の5作品が収録されており、『軌道の環』を除く4作品は、今ある技術がもう少しだけ進んだ時、どのような世界が見えてきて、普通の人々の生活にどう関わってくるのか、具体的なビジョンを紡ぎ出しています。

いままで、『ビックデータコネクト』や『アンダーグラウンドマーケット』、『Hello World』、『東京の子』などを読んできていたのですが、それらの作品と比べてバリバリのSFで、不意打ちを食らった感じで読むのに手こずりました。
ほぼ現在の延長線上の世界なのに、テクノロジーだけ理解できない発達をしている世界です。
身近に感じるかわけがわからないかと聞かれたら明らかに後者で(最近のキャッシュレス還元の最適解がよくわかんないぐらいのわからなさです)、最近のSFを読みこなせるほど頭が良くないんだってことを突きつけられてしまいました。

雰囲気だけ感じて楽しむように読み終えました。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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マイクル・ムアコック著 剣のなかの竜 ── <界>を渡り『竜の剣』を求める冒険譚

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:剣のなかの竜
著者名 :マイクル・ムアコック
初版発行:2007年7月15日
ページ数:479P
定価  :900円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)


以前、引っ越しをした際に、旧版を処分したので改めて購入しました。

著者のマイクル・ムアコック氏は、イギリスのファンタジー・SF作家で、この作品や、『エルリック・シリーズ』を始めとする『エターナル・チャンピオン』シリーズで有名です。

この本は、20世紀のイギリス人、ジョン・デイカーの記憶を持ち、いくつもの《永遠の戦士》の人生を転生するエレコーゼの物語の第二弾
です。
今回は、前回のウルリック・スカーソルから、6つの違う次元をそれぞれ行き来できる世界の英雄、フラマディンという人物になります。
三部構成になっていて、第一部では、ナチスの圧政から逃れてこの次元へやってきたゲルマン貴族ウルリッヒ・フォン・ベックと知り合い、大型蒸気船に乗りこんで〈輪の界〉の中心部をめざします。途中、エルミザードそっくりの美女アリサードと出会い、第二部では3人で6つの界のどこかにあるという『竜の剣』に封じ込められている竜を解放する旅に出ます。
そして第三部では、地獄の公爵バラリザーフとの決戦が描かれています。

前作『黒曜石のなかの不死鳥』でも同じようなことを書きましたが、この本も、正直読むのがしんどかったです。

永遠の戦士エレコーゼシリーズの1と2は、書かれた時期がかなり離れていて、雰囲気もだいぶん違うように感じます。
20世紀のゲルマン貴族が登場するからか、ナチスのエピソードなどもあり、以前読んだはずなのにあまり内容を覚えていなくて、あれ、こんな場面あったっけ? って感じです。
また、セピリズも唐突に名前が出たりして、初めてこの本を読む人には理解できないんじゃないだろうかと心配になりました。

物語の展開も、なんだか芝居じみているというか、八百長感というか、儀式めいた感じで萎えます。
エルリック・サーガの『ストームブリンガー』的なクライマックスも、、他の世界(20世紀のイギリス)から来たエレコーゼ(ジョン・デイカー)にとっては、所詮他人ごとなのではないかと勘繰ってしまいます。

シリーズの中核をなす作品なので、シリーズを抑えたい方は一読してみてはいかがでしょう。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

マイクル・ムアコック著 黒曜石のなかの不死鳥 ── 『エターナル・チャンピオン』の中核を担う作品

どうも、緒浅丸です。
気が付けば、7月も半分経過しています。
最近天気が悪い日が多く、なんだか気分が乗らないので、ついついダラダラした日々が続いています。
なんだか、あっというまに2019年が終わってしまいそうな予感です。
3連休最終日、いろいろ整理して、2019年の後半をリスタートさせたいです。

まずは、更新が滞りがちな、このブログの更新からですね。
さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:黒曜石のなかの不死鳥
著者名 :マイクル・ムアコック
初版発行:2007年5月10日
ページ数:543P
定価  :940円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次
親愛なる読者よ
永遠の戦士
黒曜石のなかの不死鳥
訳者あとがき

以前、引っ越しをした際に、旧版を処分したので改めて購入しました。旧版の『永遠のチャンピオン』と『黒曜石のなかの不死鳥』が合本した1冊です。
著者のマイクル・ムアコック氏は、イギリスのファンタジー・SF作家で、1960年代に『ニュー・ワールズ』誌の編集長として、SFのニューウェーブ運動に大きな影響を与えた編集者でもあります。作家としては、この作品や、『エルリック・シリーズ』を始めとするファンタジー『エターナル・チャンピオン』シリーズで有名です。

この本は、『エターナル・チャンピオン』シリーズの中核を担うエレコーゼを主人公とした永遠の戦士の物語で、20世紀を生きる平凡な男ジョン・デイカーが古代の英雄エレコーゼに生まれ変わり、悩みながら戦う『永遠の戦士』と、その後、最愛の妻と引き離され、<氷の城>のウルリック・スカーソルに転生した冒険の日々を描く表題作の2長編が収録されています。

この物語を初めて読んだのは自分が中学か高校の頃(今から30年以上昔だ!)です。
以前読んだ時の2冊分が1冊になったこともあるのかもしれませんが、読み進めるのに結構苦労しました。
特に前半部の『永遠の戦士』は、アレ、こんな話だったっけ? と首をかしげたくなるほど理不尽な話に思えました。『同族殺し』『女殺し』のエルリックの鏡像として読めなくもないけど、寓話にしてはリアリティありすぎで、客観的に悪鬼の所業としか思えない内容。
『エターナル・チャンピオン』シリーズでなければすぐに売り飛ばしているかも?
そして、自分が『エターナル・チャンピオン』シリーズが好きなのではなく、エルリックが好きなのだと気づくことができました。
ちなみに後半(旧版での『黒曜石のなかの不死鳥』の部分)は、自分の知っている『エターナルチャンピオン』っぽかったので少しは楽しめました。

今回改めて読んでみて、「ナイトキャップ(寝酒)代わりにムアコック」と言っていた人がいるらしいけど、その人の気持ちが少し分かりました。自分もしょっちゅう寝落ちしてました。

個人的には、読むなら『エルリックシリーズ』からをお勧めします。(こっちはkindle版もありますね♪)

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

リチャード・モーガン著 オルタード・カーボン──熱量を感じるフューチャー・ノワール

どうも、緒浅丸です。
年度末、バタバタしていて大変ですが、読書で現実逃避しちゃっています。

さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓




タイトル:オルタード・カーボン 上・下
著者名 :リチャード・モーガン (訳:田口俊樹)
初版発行:2010年4月9日
ページ数:上455P・下444P
定価  :各880円+税
出版社 :アスペクト
形式  :文庫

目次

プロローグ
第一部──到着(ニードルキャスト・ダウンロード)
第二部──反応(侵入による衝突)
第三部──同盟(アプリケーション・アップグレード)


第三部──同盟(アプリケーション・アップグレード)承前
第四部──説得(ウィルス汚染)
第五部──ネメシス(システム・クラッシュ)
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
解説/北上次郎


ずいぶん昔、ネットでサイバーパンクの傑作という評判を見かけて興味を持ちました。
最近ではNetFlix(ネットフリックス)でもドラマ化されていますね。
上巻は1年近く前に手に入れていたのですが、下巻がなかなか入手できず、先日ようやくゲットして読むことができました。

著者のリチャード・モーガンは本書でデビューした方です。この作品でフィリップ・K・ディック賞を受賞されています。
27世紀、魂がデジタル化され、小さなメモリー・スタックに記録されて肉体に埋め込まれている時代を舞台に、で、強盗を失敗して捕らえられ、100年以上の刑に服役中だった元特殊部隊の主人公が、地球の大富豪によって代替肉体を与えられ、その大富豪自身を殺害した殺人犯を調査するといった内容です。

上巻の帯に、SFとミステリ、ハードボイルドとラブストーリー 融合したらすごい本ができた!!とあるんですが、まさにその通りでした。
上記の色々な要素が豪華に詰め込まれているはもちろんですが、何より、意識がデジタル化することで半不死化した人類の様子が、物語に強烈な存在感を与えています。

ただ、それだけに読みこなすのが大変でした。
まず、サイバーパンクなので設定が難解、そしてハードボイルド的な言い回しが言葉の意味をつかみにくくて頭を悩ませます。そのうえミステリだけに謎解き要素も満載でした。
せめて、主な登場人物の数を倍ぐらい増やして、巻末に用語集も巻末につけて欲しかったです。

NetFlixの動画を足掛かりに、雰囲気をつかみながら読んだんですが、ものすごい熱量を感じる傑作だとは感じましたが、自分の読解力不足のせいで、十分楽しめなかった印象でした。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

早瀬耕著 プラネタリウムの外側 ── 現実認識の曖昧さを浮かび上がらせる物語たち

どうも、緒浅丸です。
まだ普段の生活リズムが完全に取り戻せていないまま、1月も後半に突入してしまいました。
速く、うまくリセットしたいと思っています。

さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:プラネタリウムの外側
著者名 :早瀬 耕
初版発行:2018年3月25日
ページ数:317P
定価  :626円
出版社 :早川書房
形式  :Kindle

目次
ⅰ 有機素子ブレードの中
ⅱ 月の合わせ鏡
ⅲ プラネタリウムの外側
ⅳ 忘却のワクチン
ⅴ 夢で会う人々の領分

著者の早瀬耕氏は、大学の卒論をもとにした作品『グリフォンズ・ガーデン』でデビューし、その後長らく沈黙するも、2014年に発表した『未必のマクベス』で第17回大藪春彦賞の候補になった方です。
実は、自分が気になっていた本は上記の『未必のマクベス』だったんですが、全然知らない作家さんなので、はじめ購入をためらっていました。
どんな感じの本を書くのか気になっていたところ、年末に早川書房が国内作家の電子書籍セールを始めたので、この本は短編小説だし、お試し気分でゲットした次第です。(『未必のマクベス』はセールになってなかった)

それで、恋愛短編小説集かと思って読んでいたんですが、作品それぞれがリンクした連作小説で、しかもSFでした。
ハヤカワだからSFでも全然おかしくはないんですが、そういう心構えで読んでなかったので最初は戸惑いました。
表題作の辺りから、ようやく楽しめるようになった感じです。

この作品は、「有機素子コンピュータ」による会話プログラムをつかってチャット運営の副業をしている北海道大学の研究室を舞台に、いくつもの物語が紡がれます。
読んでいるうちに、有機素子コンピュータの内側の世界と、外側の現実世界の描写があいまいになり、意識が混乱したりします。
また、内側の世界がデータを改変することにより、意識を変える様子も興味深かったです。
物語に幻惑されて面白いけど、ちょっぴり読むのが疲れました。

自分の読んだ本のなかでは、神林長平の『過負荷都市』を連想しました。

kindleで読んだのですが、この作品は電子書籍で読んだほうが内容とリンクするから味わい深いかも知れません。

あと、読了後に知ったのですが、『グリフォンズ・ガーデン』の続編とのことなので、『グリフォンズ・ガーデン』も読みたくなりました。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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プロフィール&ごあいさつ

緒浅丸

Author:緒浅丸
緒浅丸
広島在住。大坂の大学を卒業後、金融・保険関係の仕事に就いて20年以上。
ダラダラと働き続けているうちにもうすぐ50代にさしかかるサラリーマンです。
一応AFP資格保持者。
CFPは只今勉強中ですが、玉砕しまくりです。
本を読むのが好きで、ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く手を出します。ただし、お堅めの本は苦手。
座右の銘は『無難にこなす』
私立中学・私立高校に2人の子供のパパでもあり、しっかり稼がなければならないと思いつつ、すぐに息切れしてしまいます。
また、最近体調管理のため、近所のフィットネスクラブにも通っています。

mail:minahosi@infoseek.jp

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