人工知能の見る夢は──AIショートショートが専門家の解説でリアルを侵食!

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:人工知能の見る夢は
著者名 :人工知能学会編
初版発行:2017年5月10日
ページ数:318P
定価  :740円+税
出版社 :文藝春秋
形式  :文庫(文春文庫)

目次

まえがき 学会の編纂意図 大澤博隆

対話システム
 1 即答ツール 若木未生
 2 発話機能 忍澤 勉
 3 夜間飛行 宮内悠介
解説 人と会話する人工知能 稲葉通将

自動運転
 4 AUTO 森 深紅
 5 抜け穴 渡邊利道
 6 姉さん 森岡浩之
解説 自動運転:認知と判断と操作の自動化 加藤真平

環境に在る知能
 7 愛の生活 林 譲治
 8 お片づけロボット 新井素子
 9 幻臭 新井素子
解説 「君の名は。」もしくは「逃げ恥」、それとも「僕の優秀な右手」:人とモノの関わり合いの二つの形 原田悦子

ゲームAI
 10 投了 林 譲治
 11 シンギュラリティ 山口 優
 12 魂のキャッチボール 井上雅彦
 13 A氏の特別な1日 橋元淳一郎
解説 ゲームAIの原動力としてのSFとその発展 伊藤毅志

神経科学
 14 ダウンサイジング 図子 慧
 15 僕は初めて夢を見た 矢崎存美
 16 バックアップの取り方 江坂 遊
 17 みんな俺であれ 田中啓文
解説 脳のシミュレーション:コンピュータの中に人工知能を作る 小林亮太

人工知能と法律
 18 当業者を命ず 堀 晃
 19 アズ・ユー・ライク・イット 山之口 洋
 20 アンドロイドJK 高井 信
解説 AI・ロボットが引き起こす法的な問題 赤坂亮太

人工知能と哲学
 21 202X年のテスト かんべむさし
 22 人工知能の心 橋元淳一郎
 23 ダッシュ 森下一仁
 24 あるゾンビ報告 樺山三英
解説 人工知能と哲学
 25 舟歌 高野史緒
 26 ペアチと太郎 三島浩司
 27 人工知能は闇の炎の幻を見るか 神坂 一
解説 どこからが創作? どこまでが創作? 佐藤理史
第4回星新一賞応募作品 人狼知能能力測定テスト 大上幽作
──星新一賞への二回目の挑戦 佐藤理史


最近ビジネス書関連で取り上げられる第四次産業革命の関連でAIに興味を持っていた折、リアル書店でこの本を見かけビビビっと感じるものがあり、衝動買いしました。

人工知能学会の学会誌「人工知能」に掲載された、日本を代表するSF作家たちによるショートショートを、その作品に登場する人工知能の技術や使われ方に注目して分類した作品集です。さらに、それぞれのテーマについて第一線の研究者たちがわかりやすい解説エッセイを書き下ろしてくれています。
そのうえ、名古屋大学・佐藤理史先生プロデュースの〈AI作家の小説〉も掲載されています。

SF作家と人工知能学会のコラボ企画だからか、普通のショートショート作品集よりかなりシュールな印象を受けました。
まず、普通なら、あとがきに書かれていそうな事柄が、いきなり前書きに書かれています。
そして、各テーマごとに括られたSSが紹介された後、そのテーマに絡んだ解説が付されているのですが、それが結構専門的に突っ込んであり、ちょっとしたハードSFみたいに読みごたえがありました。
まるで、この本自体が未来的なSFガジェットです。

また、収録されているSSも多様な作家によるバラエティに富んでおり、楽しめます。
個人的に面白かったのは、若木未生氏の『即答ツール』、森岡浩之氏の『姉さん』、林譲治氏の『愛の生活』、図子慧氏の『ダウンサイジング』、神坂一氏の『人工知能は闇の炎の幻を見るか』などでした。

SF好きの方は勿論、AIやIoTに興味を持たれている方も手に取られてはいかがでしょう?
きっと新たな発見があると思いますよ☆

掘り出し物の1冊でした。

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アルファ/オメガ──続編希望?なSF小説

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タイトル:アルファ/オメガ
著者名 :フランチェスカ・ヘイグ
初版発行:2015年9月15日
ページ数:511p
定価  :940円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

1年半前、リアル書店で見かけたときから気になっていた本。設定を見る限り自分のツボにドストライクっぽかったんですが、結構分厚い本なので、積読が貯まっていることから購入を躊躇していました。そんな折、ネットで割と格安で売られていたので購入。しばらく積読にしていました。

著者のフランチェスカ・ヘイグ氏は、あとがきによるとオーストラリアの作家さんで、この作品がデビュー作だそうです。

核戦争から400年後の荒廃した地球で、人類は必ず男女の双子で生まれ、片方が死ぬともう片方も死ぬように運命づけられた世界で繰り広げられるファンタジックな冒険譚です。
生まれてくる双子は、どちらかひとりは正常ですが、もうひとりはなんらかの異常を持ち、正常児であるアルファは支配階級を構成し、異常児であるオメガは額に焼き印を押されて隔離されるという状況の中、外見は正常だが、未来を予知する異常能力を持ったオメガの少女の誕生が、やがてこの世界に驚くべき変革をもたらすことになるという内容です。

ぶっちゃけ、読んでいる最中は買ったことを後悔していました。
自分としては、須賀しのぶ氏の『ブルーブラッド』みたいな雰囲気の、宮廷内の権謀術数が渦巻く陰謀劇のような作品を期待していたのですが、北斗の拳やマッドマックスみたいな世界観で、ひたすら荒れ地を逃亡する話が続くのです。
期待外れで、なかなか読み進めることができませんでした。

ただ、最後まで読むと、意外な展開が待っていて、結構評価が上がりました。
なんで続編翻訳されないのかと思っていたら、まだ続編完成していない模様。

ちょっと残念な作品でした。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

伊藤計劃トリビュート──未来を見据える最先端の日本SFアンソロジー

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:伊藤計劃トリビュート
著者名 :早川書房編集部 編
初版発行:2015年8月20日
ページ数:731P
定価  :1140円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次

まえがき
公正的戦闘規範          藤井太洋
仮想の在処            伏見 完
南十字星             柴田勝家
未明の晩餐            吉上 亮
にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木 稔
ノット・ワンダフル・ワールズ   王城夕紀
フランケンシュタイン三原則、
       あるいは屍者の簒奪 伴名 錬
怠惰の大罪            長谷敏司

2007年に『虐殺器官 』で作家デビューしてから、わずか2年ほどで早逝した伊藤計劃氏へ捧げられた、日本SF最先鋭の著者たちによって紡がれた8つの物語を収録したオリジナルアンソロジーです。

僕自身は『虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)』があまり楽しめなかったので、長編を3作ぐらいしか発表していない伊藤計劃氏へのムーブメントに意外な印象をもち、本当は気にはなっているくせに距離を置いているような感じでした。
ですが、昨年末にスマホの電子書籍で『伊藤計劃トリビュート』のお試し版を見かけ、ちょうど藤井太洋氏の『公正的戦闘規範』が読めるようになっていたので、DLして読んでみることしたのです。

藤井太洋氏の作品は『Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)』をはじめ、何作か読んでいて安心感がありました。(感想はコチラ
今回も、出だしこそ中国が舞台でちょっぴりとっつきにくかったものの、すぐに面白さにのめりこんでしましました。

ところが、お試し版で、短編まるまる読めるのかと思ったら、一番いいところで終わっている状態だったため、どうしても続きが気になり、どうせ買うならちゃんとした本がいいと思い、書店まで直行して購入した次第です。

本屋で見たら、普通の文庫本3冊分近い厚みがあってびっくりしましたが、コスパ的には超お買い得でした。

収録されているどの作品も骨太の内容で、殺伐とした雰囲気、ざらついた読後感で、虐殺器官っぽいテイストの話が多かったです。
(あと、『ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)』っぽい感じもしました)

それぞれの短評は以下のような感じ。

公正的戦闘規範
中国を舞台にした作品。現実世界の地続きの未来を描きつつ、伊藤計劃氏の『虐殺器官』のオマージュもしっかり感じさせるような作品でした。
ORUGANの兵蜂を操るアイパシャが、ファーストガンダムのララアみたいと思いました。

仮想の在処
この作品だけ、ちょっと雰囲気が違います。自分は未読だが、『ハーモニー』がこんな感じなのかも知れません。日本を舞台にしたVRの未来の話。

南十字星
アメリカを舞台にした話。
民族紛争とかよくわからないし、テクノロジーの内容もいまいち理解できなかったので、正直すごく読みにくかったです。自分がもっと読解力あったら楽しめたかも?

未明の晩餐
退廃した未来都市が舞台。
読みやすくて面白かったです。
主人公が(たぶん女性なんだけど)『ワンピース』のサンジを彷彿とさせます。(脚技は使わないけど)
子供たちのキャラも好き。

にんげんのくに Le Milieu Humain
南米やアフリカの未開の地を思わせる村を舞台にした物語。
ぶっちゃけこれもつまらなかったです。SFの設定はおもしろかったけど、原住民の生活とか興味ないし、って感じ。

ノット・ワンダフル・ワールズ   
未来と舞台にした物語。
3Dプリンタが進化した世界みたいな話で、設定がユニークだなと思いました。

フランケンシュタイン三原則、
       あるいは屍者の簒奪
 
昔読んだスチームパンクを彷彿とさせる物語。
19世紀に活躍した実在、架空の有名人がてんこ盛りで楽しかったです。

怠惰の大罪            
キューバを舞台にした話。
どこまでが事実を基にしているの判りませんが、ギャングの生活がやるせないです。
生半可なデストピアSFの未来より、よっぽど詰んでいる日常です。スナッフDVDのエピソードとか、無力感で溜め息と一緒に生命力が抜けるような感じでした。

全体を通してみたら、自分たちの暮らす世界より、一段階上のレイヤーからの監視・干渉みたいなのが、どの作品にも共通しているように感じました。
そういう意味では、自分はそんなに評価してしなかったSF作家のムーブメントに乗っからざる得なかった自分も、最先端かも? いつの間にか自己相を書き換えられているのかも知れません。
それでも、これまで知らなかった作家の作品に出会えたことは素直にラッキーでした。

分厚さにためらったSF好きの人は電子書籍からでもどうぞ。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

『重力が衰えるとき』──イスラムSFハードボイルド

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:重力が衰えるとき
著者名 :ジョージ・A・エフィンジャー
初版発行:1989年9月15日
ページ数:450P
定価  :1020円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

20年近く前、『ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)』が登場してサイバーパンクムーブメントが吹き荒れていた頃、僕が好きだった作品が2つありました。
1つはウォルター・ジョン・ウイリアムスの『ハードワイヤード』、そしてもう1つが『重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫SF)』です。
どちらも廃刊になっていたのですが、半年ほど前に、この『重力が衰えるとき』が復刊していることを知り、購入。
なかなか読む機会がなかったのですが、ようやく読了することができました。
著者のジョージ・アレック・エフィンジャー氏はこの『重力が衰えるとき』をはじめとするマリード・オードラーンを主人公をしたシリーズが人気を博し、『太陽の炎 (ハヤカワ文庫SF)』や『電脳砂漠 (ハヤカワ文庫 SF (992))』など続編を発表していましたが、第四弾を発表することなく2002年に亡くなっています。

この作品は、アラブの犯罪都市ブーダイーンを舞台に、不審な連続殺人事件を解決するため、酒飲みでヤク中の主人公が奮闘するサイバーパンクミステリで、イスラム電脳版『不夜城 (角川文庫)』な雰囲気です。

昔読んだときは、物語に引きずり込まれるようにむさぼり読んだ記憶があるんですが、今回改めて読んでみて、思ったほどスピーディーな展開じゃなかったな、と思いました。

また、以前読んだときは、ヒロインが元男で、性転換した女性という設定に眉をひそめたものですが、最近のいろいろな事件でイスラム教の事を知って読むと、パンクでアナーキーでクールな存在な気がしてきました。

犯人探しがメインですが、あっと驚くトリックがあるわけでなし、電脳イスラム世界の雰囲気を楽しむ感じです。

興味を持たれた方は一読してみてください。四半世紀が経過しても色あせない面白さがありますよ。

あと、復刊した表紙のイラストですが、スタイリッシュな前回のイラストも良かったですが、今回のイラストも、内容の本質が描かれている感じで引き込まれますね。


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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

アンダーグラウンドマーケット──「ITノマド」「一万円起業」のなれの果て?

どうも、緒浅丸です。
先日、自分のパソコンを、Windows10にUpDateしました。
別に今のまんまでも困らないけど、世の中の流れについていかないと、いつの間にか世間から取り残されちゃうかもしれないと思ったからです。
ちなみに、スマホは持っていますが、電子マネーとかはほとんど使っていません。
電車とかも、最近はカードが主流になりつつあるみたいですが、いまだに現金です。

さて、今日ご紹介する本はこちら↓↓ 近未来の日本のお話です。


タイトル:アンダーグラウンドマーケット
著者名 :藤井太洋
初版発行:2015年3月30日
ページ数:249P
定価  :1400円+税
出版社 :朝日新聞出版
形式  :単行本

目次
第1部 ヒステリアン・ケース
第2部 アービトレーター

ネットマネーをテーマにした作品に興味があったし、この著者のデビュー作を読んだ際も面白かったので、手に取りました。

著者の藤井太洋氏は、最初電子書籍でデビューし、その後日本SF大賞受賞した方です。

IT技術を軸に様々な未来を描かれている方のようですが、今回の作品は、ごくごく近未来に生まれるかもしれない、二つの経済構造をもつ社会の様子が描かれています。

移民の流入とともに浸透したデジタル仮想通貨が無税の地下経済圏を生む一方、「公平な税制」の名目で引き上げられた税金が、企業の正社員にならなければ地下経済に生きるしかないような極端な格差社会を生み出しています。

主人公は企業の外で働いている〝フリービー〟と呼ばれる存在で、ITエンジニアとしての技術を生かして、中小企業の取引を無税の地下経済圏で通用する仮想通貨でも可能にする仕事で報酬を得ています。

この本では2つの短編が収録されています。
大きな物語を想像していたので、導入編みたいな感じの小粒な物語だったのが意外でした。

ですが、決して面白くないわけではなく、近未来社会の様子がリアルに描かれていて、とても想像力を刺激されました。
リキッドグローブといった小道具や、全財産を持ち歩き、自転車で移動する主人公たちの様子などワクワクしました。
ただ、自分が地方在住だからか、移民でごった返す近未来の東京の様子に現実感が感じられなかったのは残念でした。

また、自分はいま簿記の勉強をしているんですが、電子マネーの決済による会計システムについて、イマイチ理解ができなくて、ちょっと面白さを損してるかも知れないと感じました。

自分は会社勤めの社会人なので、電脳日雇い人夫みたいな〝フリービー〟の生活になるかもしれないという切迫感はないけど、学生の人が読むと冷や汗をかくかもしれませんね。

普通の学生だった人がそんな風に転落する様子が想像つかないので、主人公が就職活動に失敗し、〝フリービー〟の世界に足を踏み入れるきっかけとなった前日譚とか読んでみたいと思いました。

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Author:緒浅丸
金融系40代サラリーマンです。
ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く、書評や感想をアップしていきます。

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