スキズマトリックス──今読んでも色褪せない、一冊に濃縮されたサイバーパンクな未来

どうも、緒浅丸です。
今年は天気が良く、満開の桜を堪能することができました。
その代わり、花粉症の被害もけっこうキツかったです。

さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:スキズマトリックス
著者名 :ブルース・スターリングス
初版発行:1987年12月15日
ページ数:507P
定価  :680円(絶版)
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次
プロローグ
第一部 幻日ゾーン
第二部 アナーキーと共同社会
第三部 系統分岐となって進む
訳者あとがき


サイバーパンクの名著ということで、20年近く昔にゲットして読んだことのある本です。
先日、『お金2.0』を読んだ時にこの本のことを思い出し、また読み直したくなって手に取りました。

著者のブルース・スターリング氏は、1980年代を席巻したサイバーパンク運動で中心的役割を果たしたSF作家です。

そしてこの作品は、著者のサイバーパンクとしての代表作でもあります。

物語は、〈工作者〉グループの活発なメンバーだった主人公リンジーが、〈機械主義者〉の支配をうち破るクーデターに失敗し、コロニー追放されるところから始まります。幻日から「歌舞伎インストラクター」の興行師、海賊、エイリアン<投資者>との邂逅などを経て、次第に上り詰めてゆき、宿敵コンスタンティンとの争いの末、新たな希望を見出していく様子が、太陽系生命の変化とともに描かれています。


独創的な未来史を背景に、時系列に沿って細かいエピソードをいくつも積み上げていき、それが大きく宇宙に進出した人類の歴史を紡いでいく様子に、胸がときめきます。
その中で、テクノロジーが政治を定義するあたりが、お金2.0と共通する部分だったのかも知れません。

また、主人公のリンジーが、ペテン師みたいに交渉でやり取りしていくところがユニークです。物語自体も、舞台劇みたいに会話中心で話が進みます。

ただ、第一部の終わりと第二部の終わりに、取ってつけたようにバトルが入るのは様式美のつもりなのでしょうか?

15年ぐらい前に読んだ時は、3ヶ月近くかけてちびちび読み進めながらようやく読了した感じでした。当時は、内容の半分も理解できませんでしたが、それでも世界観の雰囲気に耽溺し、それなりに楽しめました。

今回も、第二部や第三部以降は正直ついていけなかったです。
人生100年時代の今読むと、高齢化社会のメタファー的なものも感じられたんですが、第三部の辺りでは、ただ文字を追いかけるばかりで、感情移入できなかったのが残念です。
それでも、また読み返したいし、同じ世界観が舞台になっている『蝉の女王』も再読したくなりました。

絶版になっているのがツラいです。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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わたしを離さないで──ノーベル文学賞受賞者の人気作

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:わたしを離さないで
著者名 :カズオ・イシグロ
初版発行:2008年8月25日
ページ数:450P
定価  :800円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワepi文庫)

目次
第一部
第二部
第三部


2017年10月、ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏が選ばれたことをきっかけに著者の本を読んでみたいと思い、いろいろ吟味していたところ、自分の親がこの本を持っていたので読んでみることにしました。
カズオ・イシグロ氏は長崎生まれの日系イギリス人で、1989年にはイギリス最高の文学賞であるブッカー賞も受賞されています。

この本は、日本では2005年に刊行された本です。
臓器提供者となるべく育てられたクローンたちの不条理な生をつづり、映画・舞台化されて大きな話題を呼びました。
2016年1月15日から3月18日まで、TBS系「金曜ドラマ」枠でも、綾瀬はるか、水川あさみ、三浦春馬によってテレビドラマ化されています。

自分自身はカズオ・イシグロ氏の名前は知っていたものの、その著書は手に取ったこともなく、この作品が映画化されたことも知りませんでした。また、ドラマのことは知っていましたが、なんとなく陰気そうな話だと思い、CMなどを目にすることはあったものの、きちんと鑑賞はしていませんでした。

最初、ドラマのイメージがあったので、どんな不穏な展開になるか身構えながら読み進めていたので、あまり楽しめませんでした。

読んでいる途中、作中に登場する音楽が知りたくてググったところ、映画の映像を見つけ、ある程度読み進めていたこともあり、それで作品の雰囲気をようやくつかめました。

淡い心理描写が折り重なり、穏やかな諦観を味わう物語だったのかも知れませんが、自分の場合、淡い感情の機微を味わうには、あまりにがさつに読んでしまいました。
悪い話ではないんですが、上品すぎて自分には合わなかったです。
もっと刺激的なエンターテイメントな展開がある内容が、個人的には好みなんです。

ゆったりとした時間のある時に読めば、もっと違った感想になったかもしれません。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

『七都市物語』シェアードワールズ──『大転倒』後を舞台にした物語の万華鏡

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:『七都市物語』シェアードワールズ
著者名 :田中芳樹原案 小川一水 森福都 横山信義 羅門祐人
初版発行:2011年5月15日
ページ数:405P
定価  :657円+税
出版社 :徳間書店
形式  :文庫(徳間文庫)

目次
はじめに
ジブラルタル攻防戦
シーオブクレバネス号遭難秘話
オーシャンゴースト
もしも歴史に……
原作者より
<基本年表>


銀英伝が藤崎竜氏により漫画化されたことを知り、お手軽に『銀英伝』的なものを読みたくなり、『七都市物語』及びこの『七都市物語』シェアーワールズをゲットしました。
シェアードワールドとは、同一の世界設定や登場人物を複数の著者が共有して創作する作品のことで、今回は、田中芳樹氏の不朽の名作『七都市物語』をもとに、小川一水氏、森福都氏、横山信義氏、羅門祐人氏の4名の方が、それぞれ新たなドラマを生み出ししています。
まずはオリジナルの『七都市物語』を読了してからこちらに手を付けようと思ったら、なかなか読み始めることができず、長い間積読になっていました。

オリジナルの七都市物語はこちら↓↓


『七都市物語』シェアードワールズは、元々のキャラは使いにくいからか、どの作品もオリキャラがメインに活躍する話となっていました。

第1話の『ジブラルタル攻防戦』は、「大転倒」という地殻変動の末、干上がったジブラルタル海峡に運河を建設する公社と、その公社に資本を投入している二都市との政治的軍事的対立や駆け引きが描かれています。登場キャラが多くて、区別が大変でした。あと、オリジナルと違って大転倒前の歴史とリンクしているのが面白いと感じました。

第2話『シーオブクレバネス号遭難秘話』は、アクイロニアの軍事研究所に、オリンポス・システムを解除する方法を見つけたという男が現れることで始まる物語。スパイものっぽくて好きでした。ラストも派手できれいにまとまっていて、個人的には一番楽しめました。

第3話『オーシャンゴースト』は一番戦記物っぽい話でした。本編の『ペルー海峡攻防戦の番外編で、潜水艦との戦いが描かれています。ガチガチの戦記物は個人的に好みじゃないと再確認できました。

最後の『もしも歴史に……』はプリンス・ハラルドを舞台にした兵器開発物語。防衛軍参謀長が別キャラみたいになっていてユニークです。

また、どの話にも、七都市以外の新勢力の存在を匂わす内容があり、伏線か、偶然か、もし続編があるなら……と、いろいろ想像できるのも楽しかったです。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

七都市物語──田中芳樹版『アウトレイジ』

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:七都市物語
著者名 :田中芳樹
初版発行:1990年3月15日
ページ数:307P
定価  :580円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次
北極海戦線
ポルタ・ニグレ掃滅戦
ペルー海峡攻防戦
ジャスモード会戦
ブエノス・ゾンデ再攻略戦
あとがきにかえて


田中芳樹氏の代表作『銀河英雄伝説』が、藤崎竜氏によってコミカライズされ、それをきっかけにサクッとお手軽に田中作品が読みたいと思い、購入しました。

著者の田中芳樹氏は、前述の『銀河英雄伝説』をはじめとして、数々のスペースオペラやファンタジー、現代を舞台とした人気作品を発表しており、ご存知の方も多いと思います。つい最近も『アルスラーン戦記』が完結しましたね。

さて、この作品は、地軸が90度転倒し、地上500m以上を飛ぶ飛行体をすべて攻撃するシステムが設置されている世界を舞台に、七つの都市が戦争するという物語です。
最近新装版が出たんですが、今回読んだのは古い版です。
新装版はコチラ↓↓

こちらには、未収録作品「「帰還者亭」事件」が収録され、森岡浩之氏の解説がついているようです。
また、最近コミカライズもされていました。コミック版はコチラ↓↓


以前読んだ時はそんなことは思わなかったんですが、この作品の登場人物はどいつもこいつも悪人ばっかりだと感じました。特に、美しき金正恩みたいなキャラがいて、びっくりしました。
また、戦争の物語なので当たり前ではあるのですが、淡々と描かれているけど結構血なまぐさい場面が多いです。

5つのエピソードが収められており、ウォーゲームのリプレイみたいな印象を受けました。

『七都市物語』シェアードワールズもゲットしており、そちらも読むのが楽しみです。


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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?──『ブレードランナー』原作本

どうも、緒浅丸です。
気が付けばもう年の瀬ですね。
やらなければならないことも多いのに、寒さに震えてなかなか思うように進みません。

さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
著者名 :フィリップ・K・ディック
初版発行:1977年3月15日
ページ数:328P
定価  :740円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)


超有名な作品なので、やはり一度は読んでおかなくてはならないと思い手に取りました。
映画『ブレードランナー』の原作です。
つい最近、その続編『ブレードランナーブレードランナー 2049 』が公開されているのでタイムリーでしたね。

著者のフィリップ・K・ディック氏はアメリカのSF作家で、1963年『高い城の男』でヒューゴー賞 長編小説部門を受賞、1975年には『流れよ我が涙、と警官は言った』でジョン・W・キャンベル記念賞を受賞しています。

この本は、第三次世界大戦後の放射能肺に汚染された地球を舞台に、火星から逃亡してきたアンドロイドを懸賞金目当てに追う主人公の物語です。サイバーパンクの先駆的作品として、独特な雰囲気があります。

ずいぶん昔に書かれた話にもかかわらず、あまり違和感を感じることなくすぐに読み終えることができました。
映画を見たことがあるので場面を想像しやすく、物語に入り込みやすかったというのもあります。

諦念に支配され、憂鬱な雰囲気に覆われている世界観が、どこか現代社会とシンクロしているように感じました。
また、人とアンドロイドとの関係が、AIに仕事を奪われる人間の姿とダブったり、アンドロイド(映画ではレプリカントでしたね)が、近ごろ流行りのサイコパスを連想させました。

鉛色した冬の曇天の下で読む本としては、意外とぴったりだったかも知れません。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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Author:緒浅丸
金融系40代サラリーマンです。
ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く、書評や感想をアップしていきます。

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