人質カノン──平成初期を切り取った日常系ミステリ

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:人質カノン
著者名 :宮部みゆき
初版発行:2001年9月10日
ページ数:317P
定価  :543円+税
出版社 :文藝春秋
形式  :文庫(文春文庫)

目次
人質カノン
十年計画
過去のない手帳
八月の雪
過ぎたこと
生者の特権
漏れる心
解説


私生活がごたごたしていて、普段は好きなはずのSF小説とかも、浮世離れしている雰囲気が楽しめなくて、サクッと読めそうなこの短編集を手に取りました。

著者の宮部みゆき氏は'87年に『われらが隣人の犯罪』でオール読物新人賞を受賞され、'93年に『火車』で山本周五郎賞を、'99年に『理由』で直木賞をそれぞれ受賞されています。
また、ベストセラー『摸倣犯』や映画化もされた『ソロモンの偽証』なども執筆されています。

この本は、1993年~1995年に発表された、街の片隅、日常に潜むミステリー7編が収められています。
その当時は〝今〟だったのかもしれないけど、今読むと、平成初期の時代感が感じられます。スマホがなくて、個人情報もうるさくなくて、ああ、時代は流れているんだなぁ、と感じさせてくれました。
また、作品のモチーフに少年のいじめが関わってくるものがいくつもあり、ソロモンの偽証につながる作品たちではないかと勘繰ってしまった。

個人的に一番インパクトがあったのは『八月の雪』です。主人公の重い設定がさらりと使われていて、印象深かったです。主人公の少年の、その後に思いを寄せてしまいました。

派手なトリックを求める方には少し物足りないかもしれませんが、良作ぞろいです。
ちょっとした息抜きに手に取ってみてはいかがでしょう?










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水の柩

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タイトル:水の柩
著者名 :道尾秀介
初版発行:2014年8月12日
ページ数:359P
定価  :660円+税
出版社 :講談社
形式  :文庫(講談社文庫)

目次
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
終章
解説


実家にあった本です。処分するというのでその前に一読したいと思い、積読にしていました。
著者の道尾秀介氏は、2004年、『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し小説家デビューした方で、2011年、『月と蟹』で第144回直木賞を受賞しています。
秀逸なトリックを用いながら、人間の心情を丁寧に描く作風が人気の方で、TVでも今夜はナゾトレなどに出演されていますね。
いままで、『背の眼』や『骸の爪』『シャドウ』『カラスの親指』『ソロモンの犬』などを読了しましたが、どれも面白かったです。
(個人的には初期の真備シリーズやシャドウが好みでした)

この本は、ひなびた温泉町を舞台に、老舗旅館の長男で中学二年生の主人公が、文化祭をきっかけに言葉を交わすようになった少女と、タイムカプセルの手紙を取り替える行為をきっかけに成長していく物語です。

最後まで読み終えると十分満足できる作品でしたが、最初はとっかかりが悪く、いまいちな印象でした。
そもそも読みたくて手に取ったわけじゃない段階で、すでに評価のハードルが上がっているわけですが、田舎の温泉町という舞台が、辛気臭くてあまり気乗りしないうえ、時系列が分かりにくく、思わせぶりで、正直読みにくかったです。

主人公のあだ名が「堀内」だったりするのにも萎えます。

ただ、文化祭の辺りからようやく物語の雰囲気がつかめてくると、後半からはのめりこむ様に一気に読み終えることができました。
「天泣」のフレーズもステキだったし、終わり方も丁寧に描かれていました。
ぶっちゃけ、6章以降が本当に書きたいことなんじゃないかと思いました。

個人的には、ミステリ的な構成が、逆に物語の骨組みを華奢にしている印象を受けました。
ミステリーを期待すると肩透かしを食うかもしれませんが、少年の成長物語として読めば、きっと満足できるでしょう。

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グロテスク──剥き出しの女の悪意

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タイトル:グロテスク 上・下
著者名 :桐野夏生
初版発行:2006年9月10日
ページ数:上・397P 下・453P
定価  :上・590円+税 下・629円+税
出版社 :文藝春秋
形式  :文庫(文春文庫)

上・目次
第一章 子供想像図
第二章 裸子植物群
第三章 生まれついての娼婦──<ユリコの手記>
第四章 愛なき世界

下・目次
第五章 私のやった悪いこと──<張の上申書>
第六章 発酵と腐敗
第七章 肉体地蔵──<和恵の日記>
最終章 彼方の滝音

実家にあった本で、おもしろそうだと思い手に取りました。
著者の桐野夏生氏は、93年に『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞、98年に『OUT』で日本推理作家協会賞を受賞された方です。また、99年には『柔らかな頬』で直木賞も受賞されています。
個人的には、女性によるノワール作家の印象が強いです。

この本は、読んでいるときは知らなかったんですが、東電OL殺人事件をモチーフにした作品でした。
ユリコ、ユリコの姉、和恵という3人の女性を中心に、告白や、手記、日記などから学生時代やその後の人生を浮き彫りにしていきます。

まず、それぞれの語り手によって、微妙に情報が違うので、信頼性のおけない語り手の物語だと感じました。

上巻は、主にQ女子高が舞台なのですが、お嬢様学校あるあるが何気に楽しめました。
また、女子高のスクールカーストにニヤリとしてします
美少女の苦労話が新鮮でしたが、ちょっとキモチワルイ部分も感じました。

下巻では、Q女子高を卒業した後のそれぞれの人生が語られますが、最初に差し挟まれた張の上申書のところで、『ユリコは殺害したが、和恵は殺害していない』と証言しており、「謎」が提示されミステリとしてのフラグが立ったのかと、期待が高まります。
ですが、それについて特に結論は出されていません。どうやら、現実の事件で判決が出ていないためのようです。
後からそのことを知り、作品がリアルの事件におもねっている印象を受けました。

そして、すべてがツギハギな印象に代わってしまいました。
オウムネタも少し入っている感じがしますが、雑な印象です。

前半は南国の花のような甘い腐臭を、後半は据えた生ゴミのような眉を顰めたくなる腐臭を感じる作品でした。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

摸倣犯(五)──邪悪な欲望を映し出した傑作ミステリの完結編! 

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:摸倣犯(五)
著者名 :宮部みゆき
初版発行:平成18年1月1日
ページ数:529P
定価  :743円+税(Amazonでは現在810円)
出版社 :新潮社
形式  :文庫(新潮文庫)


実家にあった本を、引っ越しの整理の際にゲットしました。

この作品は、読物新人賞を受賞されたのを皮切りに、山本周五郎賞や直木賞など、数々の文学賞を受賞されているベストセラー作家、宮部みゆき氏の代表作の一つです。
1995年~1999年に『週刊ポスト』で連載され、『司馬遼太郎賞』など合わせて6冠を達成しました。
2001年3月21日に小学館から単行本(上下巻)が刊行され、文庫版(全5巻)のこちらは、2005年12月から2006年1月にかけて刊行されています。

第5巻では、もう一人の犯人“ピース”が一躍マスコミの寵児となる様子が描かれています。高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、脚光を浴びます。

幽霊の、正体見たり、枯れ尾花って感じです。

邪悪で天才的な犯罪者というイメージだった犯人ですが、あちこちに手がかりを残しており、徐々に捜査の網が狭まっていきます。
あらかじめ犯人が分かっているので仕方ないですが、ドドン!とサプライズな大どんでん返しはありませんでした。

ただ、ボーナストラックで第6巻が欲しかったかも。
(ピースの過去についての描写が全くないのが物足りないのです)

読了後の感想はおなか一杯って感じです。もっとコンパクトでもよかった気がします。
傑作ミステリなのは間違いないですが、登場人物に感情移入しすぎる人には、つらい読書体験になるかもしれません。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

摸倣犯(四)──傑作ミステリ第四弾! 登場人物たちそれぞれの想いが蠕動する

どうも、緒浅丸です。
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タイトル:摸倣犯(四)
著者名 :宮部みゆき
初版発行:平成18年1月1日
ページ数:533P
定価  :743円+税(Amazonでは現在810円)
出版社 :新潮社
形式  :文庫(新潮文庫)


実家にあった本を、引っ越しの整理の際にゲットしました。

この作品は、読物新人賞を受賞されたのを皮切りに、山本周五郎賞や直木賞など、数々の文学賞を受賞されているベストセラー作家、宮部みゆき氏の代表作の一つです。
1995年~1999年に『週刊ポスト』で連載され、『司馬遼太郎賞』など合わせて6冠を達成しました。
2001年3月21日に小学館から単行本(上下巻)が刊行され、文庫版(全5巻)のこちらは、2005年12月から2006年1月にかけて刊行されています。

第4巻の今回は、犯人と思わしき2人組が死亡したその後の様子が描かれています。
特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載をはじめます。
そんな中、事件を巡る様々な人の様々な想いと邂逅が繰り広げられ、事件に対しての大きな動きはありませんが、それが逆に嵐の前の静けさの印象を受けました。
それぞれの登場人物たちで綴られるエピソードがちょっとした短編小説のような味わいがあります。
個人的には、ルポライターの滋子と昭二のケンカのシーンが、『夫婦あるある』っぽくて身につまされました。

あと、この巻ではちょっとご都合主義的な展開が目について、それが嫌いというわけではないけど、今までの重厚感に比べてちょっと安っぽくなった気がしました。
(例えば、ピースと前畑滋子が邂逅するとか、篠崎と由美子の邂逅とか)

次の巻で完結なので、続きが楽しみです。

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金融系40代サラリーマンです。
ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く、書評や感想をアップしていきます。

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