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朝井リョウ著 何様 ── 平成時代末期の就活模様

どうも、緒浅丸です。
今回の三連休、いまいちの天気(というか、昨夜は大荒れの嵐)でしたが、今朝はとても良い天気になりました。
昨日は、雨読をのんびりおこない、今日はお出かけの予定です。

さて、今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:何様
著者名 :朝井リョウ
初版発行:令和元年7月1日
ページ数:410P
定価  :670円+税
出版社 :新潮社
形式  :文庫(新潮文庫)

目次
水曜日の南階段はきれい
それでは二人組を作ってください
逆算
きみだけの絶対
むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった
何様


以前読んだ、『何者』の続編だったため、興味を持って購入しました。です。
何者』のスピンオフの短編が6作品収録されています。

著者の朝井リョウ氏は、2009年に小説すばる新人賞を受賞してデビューされた方です。
2013年にこの短編集の本編ともいえる『何者』で直木賞を受賞されています。(感想はコチラ

短編集で、ちょっとしたスキマ時間にちょこちょこ読むことができて、楽しめました。
『何者』の登場人物が登場するけど物語そのものの関連性は薄いので、『何者』を読んでいなくても全然楽しめますが、『それでは二人組を作ってください』や『逆算』は、『何者』を読んでいたほうがニヤリとできるかも知れません。

個人的に一番楽しめたのは『それでは二人組を作ってください』でした。本編『何者』と一番物語の距離感が近くて、本編とのギャップを味わえることができたからです。

あと、つい最近の作品なのに、東日本大震災の話題が出たり、小銭の使い方、あと就職活動状況そのものも、今の自分の社会人生活との違和感を感じて、時代の変化の速さを感じました。

もう、この本で就職活動の参考にはならないかもしれないけど、かつてこうだったという意味で、読んで損のない作品かも知れません。

アマゾンプライムとかに入っているなら、映画版の『何者』を見ておくこともお勧めします。登場人物のキャラをつかみやすいですよ。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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藤井太洋著 東京の子 ── 近未来の雇用スタイルを幻視する小説

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:東京の子
著者名 :藤井太洋
初版発行:2019年2月8日
ページ数:356P
定価  :1600円+税
出版社 :角川書店
形式  :単行本


発売された当初に気にはなったものの、単行本だとお高いしかさばるしで購入は敬遠していたところ、図書館で見かけて借りてきました。

著者の藤井太洋氏は、元エンジニアの方で、2012年に電子書籍で販売した『Gene Mapper』が当年のKindle本で最も販売数の多い小説となり作家へと転身。2013年からは専業作家となり、『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞と第47回星雲賞日本長編部門を受賞されています。
SF作家としてデビューしましたが、現在日本のちょっと先を行くデジタル社会の様子を描いた作品も多数出版していて、『アンダーグラウンドマーケット』などは、自分も楽しく読ませてもらいました。

この作品もそんな感じの作品で、東京五輪後の2023年の東京を舞台にした小説です。
『アンダーグラウンドマーケット』が未来の貨幣についての話だったのに対して、今回は雇用問題を中心テーマに据えた、未来の働き方に関する話です。

東京五輪のために建造された施設跡に開設された、学内で学びながらサポーター企業で働き、手に職をつけることが出来る施設『東京デュアル』を舞台に、そこの店で働く留学生を探す主人公が、学生全体を巻き込んだデモ行進に巻き込まれていく様子が描かれています。

じつは最初、外国人労働者を追いかけるエピソードの話についていけず、『これはハズレかも?』と心配したんですが、舞台が東京デュアルに移ってからは楽しめました。
半分学校なので、マンガ『コータローまかり通る』の舞台みたいに感じられました。

楽しく読めましたが、会社員3.0の話とかは恐ろしいです。自分も去年、仕事を辞めて、まさにそういう働き方になっていた可能性もあるので、他人ごとではありません。
子どもたちにも将来の働き方をしっかり考えさせたいと思いました。

数年後の日本が舞台とのことですが、自分の近所が数年後にこうなっているとはとても思えません。東京と地方とは違うのだ!、とも感じました。
少し前、TVでICカードを使ってサラリーマンが自販機でジュースを買っている映像が流れていて衝撃を受けたことがあります。何故なら自分はいまだに小銭でジュース買っているから。(そもそもめったに自販機でジュース買わないけど)

労働問題は、雇われて働く人々なら誰の問題でもあるはずなのに、普段、あまり意識されない気がします。これを読むことで考えるいいきっかけになるかも知れません。

また、この本を読んで面白かったなら、『アンダーグラウンド・マーケット』『ビックデータコネクト』『ハロー・ワールド』などもオススメします。
同じように楽しめると思います。






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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

早瀬耕著 未必のマクベス ── 東南アジアを舞台に21世紀の王の悲劇を描いたロマンノワール

どうも、緒浅丸です。
令和になってはや5日──長いと思っていた10連休も残りわずかになってしまいましたね。
さて、新元号になって、最初にご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:未必のマクベス
著者名 :早瀬耕
初版発行:2017年9月25日
ページ数:613P
定価  :1000円+税
出版社 :早川書房
形式  :文庫(ハヤカワ文庫)

目次
ⅰ  Night Flight - Late Summer
ⅱ  Tokyo - a long Time Ago
ⅲ  Macau - Late Summer
ⅳ  Saigon - Late Summer
the Intermission - HK Phil.Rehearsal
ⅴ  Hong Kong - Early Autumn
ⅵ  Macau - Mid Summer of 2005
ⅶ  Macau - Autumn
ⅷ  Yokohama - Late Autumn
ⅸ  Hong kong - Autumn
ⅹ  Tokyo - Mid Winter
ⅹⅰ Hate-no-Ham-a Beach - Rainy Season
ⅹⅱ Macau - Sultry Night
ⅹⅲ Bangkok - Late Summer
ⅹⅳ Saigon - Early Autumn
the Curtain Call - Radio Days


以前から気になっていた本です。この著者の他の本『プラネタリウムの外側』も面白かったので、(感想はコチラ)この連休、最初の3日間に旅行に行ったのですが、その際移動の時に読んでいました。

著者の早瀬耕氏は、大学の卒論をもとにした作品『グリフォンズ・ガーデン』でデビューし、その後長らく沈黙するも、2014年に発表したこの作品、『未必のマクベス』で第17回大藪春彦賞の候補になった方です。

東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていたIT企業に勤める主人公が、香港の子会社の代表取締役として出向を命じられ、そこから底知れぬ陥穽にはまり、シェイクスピアの『マクベス』の呪縛に絡めとられながら足掻いていくさまを描いた、異色の犯罪小説にして、痛切なる恋愛小説です。

ネットの書評などの感想をチェックしたら評判が良かったので、期待して読んでみましたが、期待を裏切らない面白さでした。
特に、個人的には『王』になるまでのところが面白かったです。
クラウンを失ったのに王座に居座る男を排除する場面は、ドキドキしました。

逆に王になって以降の後半は、読むのがしんどかったです。展開が下り坂だからかも知れません。

ご都合主義的な部分もあり、ネットでは厨二病的な展開といった感想も目にしたけど、舞台が東南アジアだとなんとなくリアリティを感じます。橘玲氏の『タックスヘイブン』を連想しました。

シェイクスピアの『マクベス』を読んでいたらまた違った感想を持ったかもしれないと思い、読了後、図書館にシェイクスピアの本を借りに行きました。


あと、奇しくもこの本を読む前日に、職場の歓送迎会があったんですが、そこではじめて『キューバリバー(キューバリブレ)』というカクテルを呑んだので、その辺でもなんだか縁を感じました。(この本読まなかったら、コークハイに似たカクテルを〝キューバの河〟だと思うところでした)

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

猿の見る夢──熟年サラリーマンの寓話

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓

タイトル:猿の見る夢
著者名 :桐野夏生
初版発行:2016年8月8日
ページ数:451P
定価  :1700円+税
出版社 :講談社
形式  :単行本

目次
第一章 二兎追う者
第二章 狸の皮算用
第三章 蛙の行列
第四章 猫に鰹節
第五章 犬の遠吠え
第六章 猿の水練
第七章 逃した魚


出版された時から気になっていたものの、単行本は価格的にハードルが高いと感じて、敬遠していた本です。

最近分厚いビジネス書や、翻訳物のSF小説を読んでいて、なんだか本を読むことが疲れていて、気分転換に読める本を欲していたところ、図書館で見つけて借りてきました。

著者の桐野夏生氏は、93年に『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞、98年に『OUT』で日本推理作家協会賞を受賞された方です。また、99年には『柔らかな頬』で直木賞も受賞されています。
自分は昔、上記の『顔に降りかかる雨』や『ファイアボール・ブルース』を読んだことがあります。
また、最近では『ハピネス』や『グロテスク』を読みました。
(『ハピネス』の感想はコチラ。『グロテスク』の感想はコチラ
個人的には、女流ノワール作家の印象なんですが、『ハピネス』とかはそうでもなかったです。

この本も、ゴリゴリのノワール感はあまりありません。闇金ウシジマくんにちょっと出てきそうな内容で、最初は企業サスペンスっぽい展開ですが、後半は怪談風の話になったように感じました。

かつて大手銀行に勤務しており、現在は出向先で取締役まで上り詰めた熟年エリートサラリーマンが、社長のセクハラ問題と、妻が信頼を寄せる占い師の出現をきっかけに、定年後の安定した生活と夢がボロボロと崩れ去っていく様子を描いた作品です。

派手なバイオレンスやお色気はあまりありませんが、今の自分には逆にそれがちょうどいい感じでした。
普通に楽しめて、451Pというボリュームでしたが、サクサク読み進めることができました。

主な登場人物がほとんどアラフォー以上で、昔なら、主人公を始め、登場人物の多くがもう20歳主ぐらい若い年齢で物語を紡いでいたんじゃないかと思うんですが、高齢化の波がこんなところにも押し寄せているのかも知れないと感じました。

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。

64(ロクヨン) 下──ミステリベスト二冠も納得の警察小説

どうも、緒浅丸です。
今日ご紹介する本はコチラ↓↓


タイトル:64(ロクヨン) 下
著者名 :横山秀夫
初版発行:2015年2月10日
ページ数:429P
定価  :640円+税
出版社 :文藝春秋
形式  :文庫(文春文庫)

以前、実家で処分するといっていた本の中で、興味を惹かれたものだけ持って帰ったのですが、その中の1冊です。

著者の横山秀夫氏は、新聞記者から作家になった方で、『ルパンの消息』がサントリーミステリー大賞佳作に選出され、98年に「陰の季節」で松本清張賞を受賞、2000年には「動機」で日本推理作家協会賞を受賞されています。
個人的には、『第三の時効』や『クライマーズ・ハイ』の印象が強いです。
もちろん、この『64(ロクヨン)』も有名ですよね。
2015年にはNHKでドラマ化2016年には映画化もされています。

下巻では、上巻で判明した驚愕の事実に加え、長官視察の本当の目的が発覚し、さらにD県警を揺るがす事件が発生します。

なかなか伺い知れない警察の内部事情やマスコミの様子などが描かれ、重厚な内容となっていて、息詰まる展開が目白押しで一気読みしてしまいました。

特に、記者会見の様子は臨場感があり、さすが記者出身の著者だと思いました。

あと、主人公と娘のエピソードが不完全燃焼に感じる部分があったり、登場人物が雑多な印象があったんですが、後から知りましたが、この作品がD県警シリーズだからなのかも知れません。

次々と現れる衝撃の展開に、緊迫感が重ね塗りされていく読み心地が堪能できる作品です。
興味を持たれた方は一読してみてはいかがでしょう?

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最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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プロフィール&ごあいさつ

緒浅丸

Author:緒浅丸
緒浅丸
広島在住。大坂の大学を卒業後、金融・保険関係の仕事に就いて20年以上。
ダラダラと働き続けているうちにもうすぐ50代にさしかかるサラリーマンです。
一応AFP資格保持者。
CFPは只今勉強中ですが、玉砕しまくりです。
本を読むのが好きで、ビジネス書・自己啓発書からラノベまで幅広く手を出します。ただし、お堅めの本は苦手。
座右の銘は『無難にこなす』
私立中学・私立高校に2人の子供のパパでもあり、しっかり稼がなければならないと思いつつ、すぐに息切れしてしまいます。
また、最近体調管理のため、近所のフィットネスクラブにも通っています。

mail:minahosi@infoseek.jp

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